悠々闊歩

はるかな道を悠々と、闊歩していきます

1Q84 読了

久しぶりの村上さんの書き下ろし長編小説。ベストセラーになっているという新聞記事を読んでも、興味が薄れたなあ、若いころとは違う…と思っていたけれど。読み始めたら一気に2巻、止まらなかった。

後戻りのできない世界の変革。主人公のひとりは、非日常的な行動の後で、それまで生きてきた1984年の現実社会が微妙に転換したことを自覚し、それを仮に→1Q84年と規定した。

時間は公平に流れているように思えて、でも一定ではない。

人生にはポイント切り替え点が何か所もあって、私たちはそこで否応なく、一瞬にして歳を取る。と私は思ってきたけれども、私たち自身よりも世界が変革する…という視点が面白い。

朝方散歩に出かけたら、土手道に見慣れない草花が広がっていた。

私はわりに植物に目を向けるほうなので、おもわずその場にしゃがみこんで、その花を一度もチェックしたことがなかったのを確認した。

私も気付かないうちに、2009年→200Q年にシフトしているのかもしれない。だとしたら私も主人公のように、この200Q年を生き延びていかねばならない。そのときに私は何を支えにするだろう。

つくりの頑丈な、どっしりとした小説が読みたくなったらお勧めします。(はは)