アイディア・ノートを持ち歩く
中学生のころ、美術の授業で「アイディア・ノート」という宿題が出ていた。無地のノート。週一回の授業の宿題として、デッサンが課されていた。画材は4Bの鉛筆のみ、何を描くかはまったくの自由。
大抵は授業の前日に、「しまった、かいてなかった」と、机の上の文房具類でお茶をにごしてはいたが、嫌いではなかった。
このところ、鍼灸や柔道整復師といった、今まであまり接点がなかった(でも、活動のフィールドは似ている)職種の人々と話せる機会が増えた。
そして、自分がいかに「筋肉バカ」だったか・・・という点を、思い知らされている。関節、関節包、動脈静脈。患者さんのなにげない一言から、痛みのでどころを突き止めるためには、自分のチャンネルは(整理されていれば、だけれど)多いほどいい。
患者さんの悩みに対して、どうアプローチするか。極論、自分の得意分野ではなかったら患者さんを失うことになったとしても、いちばん大事なのは、よりベストに近い対応ができて、患者さんが早く楽になれることだ。そして腑に落ちるアドバイスができることだ。
そのために、書きやすいノートと、サラサラ書ける鉛筆をかばんに常備することにした。友人からのアドバイス、患者さんからのヒント、ひらめきを逃さないように。多少見にくくても、私はやっぱり手を動かして書いた方が性に合っている。30年以上ぶりのアイディアノートで、今年もこつこつがんばろう。