悠々闊歩

はるかな道を悠々と、闊歩していきます

ほんとかな~。

台所仕事をしている私の背後から、娘が声をかけてきた。

「おかーさん」

「なにー?」

背中で答えたら、ひと息置いて娘がこう尋ねた。

「おかーさんって、ほんとに背中に目があるの?」

笑いをかみ殺して「あるよ」と答えた。

同じ質問をした記憶が 私にもある。

後頭部に目玉がある図を想像して、ブルっときたものだ。

それから、母親にしつこく「ねーねー、赤ちゃんてどうやってうまれるの?」とたずねたこともある。何度訊いても、「おなかがパカッて開いてね~、うまれるんだよ~」とこたえた。

コドモもしつこいが、母もしつこかったと思う。そんなばかな、とわかりつつ、何度もたずねては何度もおなじことを言われた。

そして私もやっぱり、娘の同じ質問に、同じように答え続けている。

むすめもやっぱり、私の後頭部をかきわけてみたい衝動に駆られているんだろうか。(はは)