小さいイノチ
信号待ちをしていたら、前の車のリアガラスに きりぎりすが止まっているのに気づいた。
走り出した車に、必死でしがみつく姿をみていたら、ついさっき寄った店のなかに こおろぎがいたことを思い出した。「あ、こおろぎ」と気づいたのに、急いでいて気持ちがはやって、そのまま用事をすませて出てきたのだった。
あのこおろぎはきっと踏まれるか、出口が見つからずに死んでしまうんだろうな、と、後悔した。
友達が、子供ができたと打ち明けてくれた。おめでとう!迷いながらも、小さいイノチを守る決心をしてくれたことを、嬉しく思う。よかたよかった、と考えながら運転していたら、涙がこぼれた。経産婦は涙もろくていかんね。
ときどき、ひどく感傷的になる。そして、ひとつひとつの小さいイノチが、世界中のこどもが、幸せに幸せに育ちますようにと願う。(はは)