メガネによるセカイの変換
娘の眼鏡を買った。
去年から視力検査でひっかかっていたのだけれど、「まだ黒板の文字も大きいし、経過をみて」ということで免除された。でも今年は、検査の前に自分から「眼鏡をかけたい」と言い出した。席がえでうしろのほうになったことと、かわいい眼鏡ケースを使いはじめた子がいるのが、きっかけになったらしい。
本人の希望で眼鏡市場へいく。下の娘も一緒になって、検査とフレーム選びに大騒ぎした。意外に子供のめがねというものは、サイズがまちまちだと知った。キッズフレームと一口にいっても、15歳までだもの。そりゃ、頭のハチの大きさも変わろうというもんだ。
「こっちのほうがいいんじゃない?」とオヤの趣味で薦めてみたが、
「・・・自分のだからいいの」と我を通した。よろしいよろしい。
娘は一度も、目を細めて遠くを見る、というしぐさをしなかった。ふつう視力が落ちてくると、そうすると思うのだけど。
つまり娘は、物心ついたときから ボヤけたセカイにいた、ということだ。そういうものだ、と思っていたのだろう。
そうしてそれなりに、今までやってきてしまったんだろう。
だからオヤも(うかつなことに)それほど目が悪いと、気づかなかった。もうしわけないことです。きちんと視力検査してみてびっくりしてしまった。
初めて自分で選んだめがね。眼鏡をかけた娘は、ガラス越しに外を見て、かなり驚いた様子だった。
車に乗ってからも、ずっと黙って外を見ていた。そして一言、こういった。
「自分が新しくなったみたい」
そうしてその日は、珍しく早く寝てしまった。
それほど大きなセカイの変換を体験した娘が、これから変わっていくのか。楽しみです。(はは)