Good Massager!
私はガンジス川の河岸で、朝の沐浴風景をながめていた。十年も前の話だ。
河岸は段々になっていて、私とオットはのんびりと座って話をしていた。
すると男が一人寄ってきて、私たちにマッサージはどうだと勧めた。いらないといってもしつこく話しかけてくるし、もう肩に手をかけんばかりの勢いだった。
日本人とみるや、物を売りつけたり高値をふっかけたりしてくる こういった輩には、インドに来ていらいもう・・・うんざりしていた。バスに乗るにもタクシーにのるにも、コーラ一本買うにも交渉、交渉。ええい、もう十分じゃと私は「ふっかける側」にまわることにした。
「いやホントいらないの。私日本でマッサージやってるから」
「え、ほんとに?」と男は目をむいた。
「そうだよ。私マッサージで生計たてております」←*受験英語
疑わしそうな男に私はたたみかけた。「じゃやってあげるよ、あなたに」
たぶんフツーに肩を揉んだんだと思うけど、男はしばし黙って私の「マッサージ」をうけた。疲れてたのかもしれん。そして、親指を立ててこう言うと、その場を立ち去った。
「サンキュー。ゆーあー、グッドマッサージャー!」
時は過ぎて私は整体師になった。
ついこないだ、オットがこのときの話を思い出して 晩御飯の話題にのぼったのでした。
「もしかして預言者だったのかもしれないねえ」
「お父さん(亡父)がインド人に化けてたのかもよ」
いずれにしても、人生って不思議だなと思うことがあるのです。(はは)