日焼け止めからの脱線
午後は川遊びに出かけた。女の子3人連れて、タオルとおやつを持って川べりへ降りた。
道すがら、娘が「おかあさん、日焼け止め塗ってきたでしょ。匂いがするから」という。
たしかに日焼け止めクリームって、独特のにおいがする。緑濃い空気の中で、クリームを塗った肌を強い日にさらしていたら、なんだかこの感じはなつかしいぞ、と記憶がかきまわされた。
そうだそうだ、クライミングにトチ狂ってたころの匂いだ。もう10年~20年も前の話だ。
そういう記憶のカギみたいなものって他にもある。たとえば飛行機雲とか、真夏の朝の草の匂いとか。やっぱり五感に訴えるものだな。しばし古い記憶にひたってボーっとして、その後現実にもどる。
でも以前ほど、「失ったもの」を惜しいと思わなくなってきたみたいだ。今日は特に、こう思ってすがすがしい気分になったんだ。
あの頃は広い世界を知りたくて、外へ外へと目を向けてたし、自由に行動していた。結婚して出産して、いろんなしがらみや不自由さにアップアップすることもあったし、今でもそれは感じることもある。でもその人生の転換と、ふかーい喪失感がなかったら、こっち側のこんなに広い世界は知らなかったな。
そしてそう思ってから、おお、ここまで自己肯定できるようになったんか~と、われながらびっくりした。時間かかったもんだな~。
川の浅瀬で水切りと、きれいな石さがしと、「書ける石」実験ざんまい。今日は石づくしだったな。楽しかったです。