自分を褒められる夜
まじめな話。
子どもたちと一緒に布団に入り、あれこれと話しているうちに、ちょっとしんみりした話になって
亡くなった父(子供たちにとってはジイジ)の思い出などをきかせた。
地震の話もした。
そしたら、上の子が、ちょっと思い切ったように「どうして、人間はしぬの?」と口にした。
私は、子どもがそういう質問をいつかしてきたときの答えを、ずっと前から用意していた。
ときどきその場面を想像して、実はちょっと泣くこともあった。
それは、まっすぐに受け止めなくちゃいけない、外すことの許されない質問だと思うから。
そういうことをたずねてくれるだけの親子関係でいることが一つ。
そして思い切って口にしたときには、がっぷりと受け止めて、全面的な愛をあげる覚悟がいることが一つ。
私自身はそうではなかったから、自分の子どものときには、ぜったいに外したくなかった。
だから、落ち着いて対処できた。ごまかしもしなかった。
娘はちょっと泣いて、私の手を額においたままうなずいた。
これほど直球で、自分の思いが娘に届いた感触は、初めてだったかもしれない。
母親としての自分に、さほどの肯定感を持たないまま10年も過ぎましたが
はじめて親として、自分を褒められる出来事だったなと、今日は感じました。