日常的に炭を使う
どうも炭の使い方がうまくないらしく。火おこしを使ってガス火でつけても、火がもたない。七輪や火鉢で燃え残ってしまう。
文化住宅で、祖父母から離れて暮らして来た。付け焼刃的な にわか炭生活は、小さいころから身についている人にとっては、そんなことも知らないのか、ということを知らない。
バカにされるのを承知で、炭を持って教えてもらいに行った。
日ごろから使っているYさんは、そんならやってみるが一番だ。と、家まで出向いてくれた。
杉っぱで消し炭に火を付けるのを、やって見せてくれた。それから、割れて番線で代用していたロストルを、自分の竹ぼうき(これも手製)の針金をほどいてなおしてくれた。
話しながら、炭を小さく切りそろえてくれて、ああ日常的に使うには、そのくらいのサイズにするのか、とはじめて知った。
のこぎりが出たついでにと、目立てのしかたをたずねたら、軽ットラから自分のやすりを出してきた。鋼の部分を買って、オオキバの茎を取っ手につけたものだ(中空だから都合がいい)。それではじめて、我が家のやすりは大きすぎるということも知った。
この日はもう一人、毎日七輪で自分の分のおかずを作っている、という90才の女性とも話をした。
茶の木をこいだものを、消し炭にして、一斗缶に大事にためてあった。その横に杉っぱと、消し壺が並んでいた。
日々営々と繰り返すことの強さに、感じいる一日でした。