あいうべ体操と、マスクのこと
久しぶりに整体の話。(掲載の承諾いただいています)
40代女性。その日の症状のひとつは、「2,3日前から歯が痛む」というものでした。
虫歯のような、でも歯茎のような。かみしめると左奥歯が痛む。
仕事上の姿勢の影響もあり、左上半身には普段から負担がかかっています。
頸の状態や、慢性疾患などその他の条件も様々ありますが、ここでは表情筋の話をします。
患者さんの顔を触ると、人により、その日により、ほほおーと思うくらい違う時があります。
経験的に、表情筋の硬さは、認識されている以上にいろんなことかかわるように思います。
目の疲れ、目の開き具合。見え方。
鼻が通る通らない、鼻呼吸ができる、歯が痛む。
耳閉感。耳鳴り。もちろん頭痛。
施術終わったとたんに、「目が開くようになった!」「明るくみえるようになった!」
「あんたのしわまでよく見える~」なんて言われたこともあります。見るなよ~(汗)
「朝目が覚めると、口が渇く」と言われて、その他の状況も併せて、
口が渇く→口を開けて寝ている→鼻呼吸ができていない、と判断し
があーっとカオをほぐして、次の日からOKだった、ということもあります。
(一概に言えるわけではありません!)
さて
この方の場合、頸・アタマとあわせてカオが和らぐと、症状はだいぶ良くなりました。
気になって術後を確かめると
後からずいぶん楽になった。翌朝また痛んだが、≪あいうべ体操≫をしたらよくなった。
そしてその次の日、仕事でしゃべりまくったら治った、とのことでした。
ここで書きたいことが二つあります
① この患者さんには、その他理由もあり、「あいうべ体操」を案内してきました。この体操、表情筋やら口の周りの筋肉やらをしっかりと動かしてもらうものですが、口呼吸の改善に非常に効果がある、と思っています。
私自身、実感しているのは、体操の後数分で鼻が通りやすくなること。そして、寝る前にしっかりすると、翌朝の口の臭いが気にならなくなることです。
今回、特に効果を実感できて、今後とも自己管理に生かしていただければ嬉しいです。
鼻呼吸ができることで治る疾患って、もっと叫ばれてよいんじゃないかしら。
②マスクについて。
同じ理由で、マスクを付ける人が昨今増えていることを、疑問視しています。
マスクには功罪があるからです。
面白いのはこの方が、「風邪気味で2,3日前から、マスクをしていた」というのです。
マスクは、もちろん罹患予防・拡散予防に効果があります。
でも本来は、ヒトの体には「自家製マスク」鼻があります。
マスクをすることで、逆に鼻の機能を弱めてしまう場合もある。
マスクに頼っちゃうんですよね。マスクの奥で口呼吸が癖になってしまっては、本末転倒だと思う。
人前に出るときにマスクをすると、ある意味ヒジョーに楽です。化粧はともかく、表情に気をつかわなくて済むから、というのもその理由のひとつではないかな。
意識して表情筋を保つ必要が、薄れてしまう。
インフルエンザ予防だのなんだのと、学校でも職場でも、何でもかんでもマスク、マスク・・・それって、ハナから(洒落じゃないよ)鼻呼吸することを放棄してるんじゃないかな?
本来鼻は、外部からの侵入予防、温度調整という機能があるはず。せめて学校では、マスクをつけろという前に、鼻呼吸の必要性なり指導なりをするべきじゃないかしら。
(実際に、あいうべ体操を導入して、インフルエンザの罹患率を下げている学校もあります)
参観会に行って、先生が教壇にマスク姿で立っているのを見て、がっかりしたこともあります・・・
きっと寄席や演劇でも、観客席にマスク姿が増えて、反応が見えずやりにくいんじゃないかしら。
いや、そのうちマスクでリサイタルする歌手が出るかもしれん・・・
前出の患者さんが、たくさんしゃべって症状が改善したのは、そういう理由と思いますが
逆に営業の方で、オッ!というほど表情筋が固い方もいました。それはそれで、普段から固めているんだろうなあ。