悠々闊歩

はるかな道を悠々と、闊歩していきます

親こそ最良の医師 グレン・ドーマン

患者さんに勧めていただいて、脳障害児の治療に関する本を読んでいる。

脳障害児、脳障害を負った人々の治療の道なき道を、どのように模索してきたか。その方法論とは。私は専門的な教育を受けていないけれど、自分がマッサージやストレッチをする上でプラスになればと思っている。

脳障害の有無にかかわらず、なるほどと頷かされる気づきも多い。

子どもの現在の状態と、あなたが子供に望む目標との差に目を向けてください。つまり、子供の現在の状態(障害を負った)と、あなたが子供に望む状態(健常)とのちがいです。

しかし、それを子供の耳に入れてはいけません。それはあなたの問題であり、私(専門家として治療にあた著者)の問題です。これから先どれほど遠い道のりかを話したりすると、その遠さが子供のせいのように聞こえてしまいます。

定式があります。失敗は罰につながり、罰は意欲喪失につながり、意欲を喪失すると子供は頑固にやりたがらなくなります。メアリーの言葉を借りれば「これが私の人生なのよ」ということになるのです。

しかし、メアリーに意欲をもたせ、何度も繰り返し練習して一分間ぶら下がれるようになること、あるいは歩いたり、話したり、読み書きができるようになることを望むなら、

今日の子供の状態と、きびしい訓練に入る前の子供の状態とを比べて見る義務が親にはあります。つまり、現在の子供とそれ以前の子供との差に目をむけ、感謝と熱意と尊敬と喜びを感じるべきなのです。

というわけで、定式はもうひとつあります。成功は報酬につながり、報酬は意欲につながり、意欲が持てればやる気が出て、もう一度やることを楽しみにするようになります。メアリーの言葉を借りるなら「ね、うまくできたでしょう?もう一度やってみせましょうか」ということになるのです。

でももちろん、親である皆さんはそんなことはすべて先刻ご承知でありきっといつもそうなさってきたにちがいありません。ただ私は、こうして書いておくべきかもしれないと思ったまでです。