患者さんに勇気をもらった話
80代、一人暮らし女性
病気の宣告をされて10年経った。10年経ったねえと、主治医としみじみ話したよ。
MRIとか撮るときね、私いつも「負けるもんか、負けるもんか」って思ってるの。
病気を言われた最初から、私は思ってたね、負けるもんかって。
にこにこして、いろんな人と話して。老人会の役も引き受けて、わははって笑って。その方がいいじゃんねえ、つまんない顔してるより周りの人と話して、たくさん口動かして笑って。
息子がまた病気になっちゃって、お母さんどうしようーって電話してきたんだよ。
だから言ってやったの。あんた、人間そう簡単に死ぬもんじゃないよって。
それもそうかって切ったわー。