悠々闊歩

はるかな道を悠々と、闊歩していきます

読書「最期まで在宅おひとりさまで機嫌よく」(上野千鶴子)

このところ、延命治療とか人としていかに死ぬかとか、孤独死後の特殊清掃とか、そんな分野の本を手に取る機会が多い。20年ぶりに一人暮らしになって、なんとなく『身じまい』について思いめぐらし始めているのだろう。

この本ももともと、新聞の広告欄で気になったものだ。「おひとりさま」という言葉はずいぶん一般的になったが、もともとは、社会学者であり東大名誉教授でもある上野氏の提唱によるものと知った。最新の在宅治療や介護制度を踏まえて、ひと1人が在宅で生ききることができるかどうか、実際のところのしょっくち(入口)を知ることができた。

身近には、在宅で老いていく積極的な意味合いでのロールモデルは、なかなか見つけられない。「こうありたい」と魅力的に映るようなご高齢者に、なかなか出会えないのだ。反面教師はいるけれども。

本書では、澤地久枝さん、橋田壽賀子さん、下重曉子さんといった、女一人を切り開いてきた方々との対談も多く収められている。私はまだ、下り坂を諦めて(明らめて)生きるモチベーションはない。ある意味では、まだ欲深くあがいているし、それでよいと思う。今のところは、さっと目をとおして概要をつかんでおきたい本だった。