愛の賛歌 / ザッツ・ア・プレンティ
日曜日に、音楽教室の発表会に出かけた。マチの楽器店が一般向け講座を開講していて、友人が初めて参加することになっていたからだ。
学生さんから年配まで、いろんな方がそれぞれのペースで音楽に親しんでいるのを感じられ、ほのぼのと楽しい時間を過ごした。
午前中は比較的クラシックなもの。午後は生バンド演奏付きで、カジュアルなものという構成だった。
特に心に残った発表者が2人
1人は、かなり年配の男性で、その時だけは講師が横について合図を出しながら
堂々とジャズのスタンダード「ザッツ・ア・プレンティ」の演奏を披露した。
やりきったやわらかな笑顔が印象的だった。
もう一方は、明らかに左半身が麻痺している、タキシード姿の男性。
右手一本でトランペットを持ち、マウスピースを唇の右側に構えて、「愛の賛歌」を奏で始めた。
男性が自分のペースで息継ぎしながら演奏し、バンドが合わせる。おそらくマウスピースで音が出るまで、大変な苦労だったことだろう。肺活量も足りなかったろう。最後まで姿勢を崩さず、演奏しきった姿に、万雷の拍手が響いた。