悠々闊歩

はるかな道を悠々と、闊歩していきます

いなだのお刺身

スーパーで 大きな「いなだ」が安売りされていたので、ちょっと考えて、まるのまま買った。

いつもは面倒で「一本だけですみませんねえ」なんてヘーコラしながらおろしてもらうんだけど。

「今からお魚おろすんだけど見てみる?」と娘を誘うと、意外にも興味しんしんで寄ってきた。

娘はお刺身大好きだし、売り場でどじょうに見入ったり、金目鯛の目をさわったりはするけれど、おろすのは初めてだ。どんな反応をするだろう。

まずはひれを開いたり、触ったりしてから、娘の手前?合掌して包丁を入れる。なまなましい内臓を見せる。「ひえ~!」「うわー血だ、血だ・・・」などと、意外に明るい反応。包丁さばきはまったく自信がないが、えらそうに「これが2枚おろし。こっち骨がついてるからもう一回ね」などと講釈をたれる。しまった、中骨にえらく身が残ってしまった。(かりかりにして素揚げに、といいたいが、面倒くさいのでそっと捨ててしまった)

身をつぶしながらも なんとか皮をはぎ、娘のリクエストでやっぱりお刺身にすることになった。本当は、煮付けにしたかったんだけどね。素人のおろした生臭さは ねぎでごまかすことにしよう。

今の子は命の大切さを知らない、なんて言い古されているけれど

私自身だってそうだ。海のそばで育ったけれど、釣りの経験もなく スーパーで買った魚を食べていた。潮干狩りがせいぜいだ。

卵だって肉だってそうだ。世の中には、毎日毎日なりわいとして、機械的ににわとりの首を絞めてる人が(そうせざるを得ない人が)いるはずだ。豚や牛なんて、どうやって殺しているのかすら、私は知らない。ただヒレだのコマだのと買って、「食べ捨てて」いる。

そう考えていたら、ある人に「にわとりはね、絞めないの。ブロイラーはかみそりみたいのでね、すっすっと切ってくの」と言われてしまった。知らないことが多すぎるなあ。

いつか、いつかの夢として、鶏を飼い、それを自分の手で絞めるような生活をしたいと思っている。娘のためというより、自分のためにね。

お刺身、おいしゅうございました。小骨が残っちゃったけどね。(はは)