悠々闊歩

はるかな道を悠々と、闊歩していきます

くもさん

先日、娘の友達とその兄弟が集まりました。1才から7才まで年齢はばらばらです。暖かい日で、外で花を摘んだり、てんとうむしをつついたりして遊んでいたときのこと。

下の娘が「おねえちゃんが、クモさんつぶしちゃったー」

どうやら一番大きなおねえさんが、石でつぶしちゃったようです。伸び始めた草の上で、動かなくなっているクモ。当のおねえちゃんは(おこられるかな?)という表情で、でも知らん顔を装っていました。

5才の子達は「○○ちゃんがやっちゃった」とひそひそ声。でも、自分たちのできないことをしたおねえちゃんに 尊敬の念もあるようなないような。

どうしようかなあ、と思ったのですが、とりあえず「あったかいねえって出てきたら、つぶされちゃったねえ。かわいそうだったねえ」と声を掛けました。おねえちゃんだんまり。

虫には申しわけないけれど、そうやって分かっていく事って大事だなと思っています。

私も小さい頃、わざとクモの巣にアリを引っ掛けて、ぐるぐる巻きにされていく様子を飽きずに眺めたことを思い出します。いやーかわいそうだ・・・

上の娘が幼稚園に入ったばかりのころのことです。今日は何をしたの?とたずねたら、

「グランドで虫取った。・・・あのね、テントウムシの血は黄色いんだよ?」

嬉しそうに話し始めたのに、私の顔を見たら表情がくもって、あわてて言いました。

「でも、体はつぶさなかったの。あし。ちょっとだけ。だから・・・」

ウエ~ン、と泣き出してしまいました。

たぶん、そのときの感触とか、殺してしまった、という意識が一気に立ち上ってきたんだろうなと思います。そしてそうやって、ダイナミックに、直接的に理解することは、彼女の宝物になっただろうなと思います。

泣いて泣いて、「もうつぶさないよ」と、後は機嫌をなおしていました。

次の日の朝。庭に出た下の娘は、まっさきに昨日の草を見に行って、

「くもさんいなくなっちゃった」といいました。

小さい子も、おねえちゃんも、その間の子も、

それぞれの子どもが、それぞれに学んだ出来事だったんだろうな、と思います。(はは)