初めてのお泊り
上の娘が幼稚園の関係で、一晩お泊りすることになった。
ひとりでよそに泊まるのは 親戚など含めてもはじめての経験で、こっちがどきどきモノである。なのに、当の本人はけろっとしたもので、けっこう楽しみにしている様子だった。友達と夜まで過ごす、一緒にお泊りするなんて、きっとスペシャルな出来事なんだろうな。
リストを見つつ、着々と タオル・パジャマ・はぶらしなどの持ち物をそろえていく娘を手伝いながら、私はなんだかさびしかった。淡々と「ひとりでお泊り」を受け入れているらしい娘が、物足りなかったのかもしれない。
「なんかさびしいなー」
「明日の夜は、○○(娘の名前)いないのか~」
と、着替えをたたみながら繰り返していると・・・
突然、娘が突っ伏した。
「○○だって、さびしいよ!」
はあ~、そうだったのか・・・
と気づいた瞬間、やっと思い出したことがあった。
下の娘が生まれたとき、私は入院し、上の娘はちちの実家にお世話になった。
もちろん、それが ははと娘が離れ離れになるはじめての経験だったのだが、
そのときにも 3歳前だった娘は、気丈にふるまっていたのだった。
さびしいなあ・・・と繰り返すわたしを、
「だいじょうぶだよ、さびしくないよ!」「また、明日も来るから!」と
逆に慰めてくれていた。
でも入院が4日目ぐらいになったとき、あるきっかけで
「○○、さびしいの~!!わ~ん!!」と号泣し、そのまま私の横で眠ってしまったのだった。
あーあ、私って成長してないな・・・と反省しつつ
娘の背中を、じっと抱きしめた。
次の日、娘はリュックと布団の包みをかかえて、
振り向きもしないで 園の門をくぐっていった。(はは)