思い出のまほうびん
我が家で使っているまほうびんは、おそらく20年はたっていようという代物である。なんてことない赤いまほうびんだが(しかし、魔法瓶っていう言葉もいいですね)、大事に使ってきた。
もちろん、ポットひとつ買う金がないではない。だいぶ古びてきたし、ホームセンターに行くたびに 新調しようかと迷ってきた。
時折、食卓の脇で「きゅ~~」と鳴き声?を立てることもある。圧が抜けるんでしょうね。
「何の音?」
「ポットがないてんの」
「あ、そっか」と、娘も納得する 我が家の音である。
そして先日、ついにこのまほうびんが寿命を迎えた。ふたの裏側が、抜けたのである。キャップの裏側の栓が、劣化したんですよ。そんなの聞いたことある?
それでも しつこい私は、温度がそれほどかわらないんだったらいいじゃん、と使い続けているのだが・・・。
じつはこのまほうびん、ちちが上京してきたときに新調したらしい。あの狭くてきたない(失礼~)学生下宿から、ずうっとちちの半生をともにしてきたかと思うと、どうも手放せないのである。って、ははがね。
ちなみにこのまほうびんの先代は、今は亡き父(ははの父)が入院していた頃に使っていたものだった。ちちの筆跡が惜しかった。これも寿命まで使って、最後は花瓶にした写真が残っているが、さすがに処分した。
二人目が生まれたときに、ミルク用にと電気ポットも買ったのだが、お蔵入りしたままになっている。やっぱりまほうびんだよなあ。
今度のまほうびんは、どんな思い出をともにできるかな。(はは)