記憶
ある日上の娘と、3月に卒園した幼稚園のことを話していたら、どことなく恥ずかしそうにこう言った。
「あのね、○○(自分の名前)幼稚園の頃のこと、あんまり覚えてない・・・」
ほほう。本人よりも幼稚園への思い入れが深い私としては、ちょい残念ではある。小学校に入ってからだって、幼稚園のお友達とも、何度も遊んでいる。あんなこともこんなこともして、3年間過ごした幼稚園での生活を、それほど早くに忘れてしまえるものだろうか。
でも、同じような経験が私にもある。小学校から中学校に進んで、一ト月ほど経った頃のことだ。はたと気づいたら、小学校生活の風景が、すっぽりと頭から抜け落ちていた。どんなことをして遊んでいたか。友達とどんな会話をしていたか。2年間かわらなかった担任の先生が、どんな授業をしていたか。あまりにも記憶が薄くて、我ながら不思議にも、薄情にも感じた。恩師は近所に住んでいたので、顔をあわせるのもばつが悪かった。
そのときの自分への言い訳は、生活が大きく変化したことと、始まったばかりの中学校生活がぴったりと身になじんで、性に合っていたこと、楽しかったことだ。自分にとっては、小学校よりも自由度が高かったんだと思う。
そう考えると、今の娘の状況は、喜ばしいことだと感じる。母親個人としては、どうも大規模小学校の風情になじめず、どちらかというと幼稚園のほうがなじむのだが。娘が小学校生活を 違和感なくスタートできたのなら、それをまず喜ぶべきなんだろうな。
ちなみに下の娘は、この春、同じ幼稚園に 保育園から転園している。そしていまだに、保育園のころのことをよく口にする。お友達の名前だけならともかく、担任だった先生方の名前やばんそうこうを貼ってもらった思い出まで。
こちらは、じゃあ幼稚園になじんでないんだろうか?
ううーん
こちらは都合よく、別の理由からだと信じています。たとえば、スバラシク記憶力がいいとか、ね。親って勝手なもんですな。(はは)