悠々闊歩

はるかな道を悠々と、闊歩していきます

ちくちく同盟

縁あってママ友になれた、すごーくかわいらしい方がいる。まず字が上手い。日ペンの美子ちゃんみたいだ(っていって通じる?)。お手紙にはかわいらしいイラストを欠かさない。娘さんはいつもきっちりと髪をまとめ、手作りの髪留めなど左右につけている。園バッグはもちろん手縫いで、風船の図柄に名前のししゅうが浮かんでる。「おねえちゃんのおさがりだから、つけかえちゃったんだけど」なんてはにかむ笑顔が、くーっ同性ながらかわいいぜ!

刺繍の世界になど とんと無縁に生きてきた私。娘のお給食ナプキンに、名前やお花のひとつもいれてみたくなった。そして先日彼女に、「これとこれ揃えて、って言ってもらったら揃えるからさあ、教えて~」とねだってみた。

そしたら傍で聞いていた 別の遠慮なしのママ友Aが、大笑いして「似合わないねえ~ッ」とひやかした。うるさいっ!と、そこで会話は終わった。

しかしその後で、Aの家を訪れたときのこと。Aは「昔むかしのものですが」といって、段ボール箱を出してきた。中にはお菓子の空き箱にきっちりと詰められた、刺繍糸どっさり。ちゃんと番号順に並んでる。そして『フランス刺繍』の図案集。布いっぱいに、ゴージャスな花束を描くようなやつだ。はあー、と言葉が出なかった。

ヒトは見かけによらない(失礼)。私は3年間付き合ってきたAのこの一面を、全く知らなかった。

で、刺繍のいろはの「い」を教えてくれた。針はこんなので、まずは3本どりでやってごらん。糸のさばきかたや、撚れずにきれいに刺す方法。そして、小分けにした刺繍糸ひとそろいを持たせてくれたのであった。

その晩早速、娘のナプキンにステッチをかけてみた。なるほど、ちょっと気を遣うだけで、我流よりもきれいにできるもんだ。先日NHKの番組で『ボタンのつけかた』を見てやってみたときにも、けっこう感動したけれど。Aに感謝です。

それにしても、いやー私が刺繍ですよ(あくまでまっすぐ縫いだけど)。この歳になってまたまた、自分を驚かすことができました。ありがたいことです。(はは)