悠々闊歩

はるかな道を悠々と、闊歩していきます

番茶と友

去年のいつだったか、スーパーで買い物をしたときのこと。

なんだか不思議に、幼児連れのおかあさんが目に付くな、とは感じていた。そして妙に、みんな幸せそうに見えた。そしてじぶんの表情がかたいことも意識していた。

買い物を終えて、車に乗ろうとしたとき、何かが心に引っかかった。「このまま帰っちゃだめだよ」そうだ、私はきっと冷えているんだと思った。店内が寒すぎたのかもしれない。レジ横の自動販売機でカップ入りのコーヒーを選ぼうとしたが、なぜか何も選べない。どうしたんだろう?「心がヤワになってるよ」なんだか泣けてきた。途方にくれて、それでもふっと友人に電話してみよう、と思いついた。

お昼になりそうな時間だったのに、友人は、どうした~?おいでよ。といってくれて、私はそのまま彼女の家に行った。それで、熱々のおいしい番茶をいただいて、やっと心がほぐれた。

「そういうかんじ、すごく良く分かるよ」と彼女は言ってくれた。

たしかにつらい気持ちを、意識下に抱え込んでいた時期だった。

それはほんとうに、ほんとうにおいしいお茶だった。

私は友達づきあいが悪い。学校や勤め先など、生活のステージがかわると、それまでの友人関係が続かなくなってしまうほうだ。もちろん、自分が悪いんだ。

けれど、ママ友達に恵まれているなと思う。同じぐらいの子どもがいるからって、そうそう親しくなれるヒトばかりじゃないのに、一生付き合いたいな~と思える友人が何人もいる。

番茶の友人もその一人で、ありがたいことだ。私もヒトのつらさを、しっとりと包み込める人間になりたいと、切に思っている。(はは)