春と初夏のはざまで
となりの田んぼに耕運機が入った。夕方になって、掘り起こされた土の匂いがあたりにたちこめる。今年初めて草刈の入った土手と共に、この土地らしい香りだ。どうして夕暮れ時は、ものの香りが濃くなるのだろう?
つばめたちが低く飛び交い、巣材にするのだろう、土をつついては飛び立っていく。おうちに巣を作ってくれたら・・・という願いは、今年もかなわなかったようだ。つばめのおめがねにかなうには、どうしたらいいんだろうな。
用水のみなそこに、まだ小さい梅の実が沈んでいる。びわが青い実をつけている。いちじくの木はようやく、葉がそろったようだ。
土手を歩くと、あざみが満開だ。ちがやが花をつけているが、それをはらうと、子犬のつやつやした尻尾のような穂が美しい。へらおおばこも、すいすいと花茎を伸ばしている。
ここしばらく引き篭りがちだった間に、すっかり春が深まっているな。(はは)