映画「いのちの食べかた」の影響で
その1
映像よりも 生き生きと生きている牛を見たくなって、近夕方、所の牛小屋に行った。
牛を見に行こうと誘ったら、娘たちはちゃんと長靴に履き替えた(わかってるなあ!)。
牛がおしっこする音がしたら、娘は現場を見ようと走った。
うんちだってボトボトする。ちゃんと尻尾を持ち上げてするのだ。
おじいちゃんが、ぺちぺちと牛のしりっぺたを叩いていた。
下の娘が、正面から牛を見据えて、一緒にあごを動かしていた。
私は映像の、逆さにつるされた牛たちのことを考えていた。
その2
「お庭のきゅうり、ひとつだけ大きくなったから取りに行って」と、お風呂上りの娘たちに頼んだ。
「ここなんだっけ、ヘタ、アク」とワイワイ話しながら、二人で半分こしていた。
お味噌をつけて食べた。「ちゃんときゅうりになってる!」「そのままでもオイシイ~」
面倒くさいからと、台所の手伝いをあまりさせてこなかった自分を反省した。
その3
庭のひまわりが、今日はじめて、太陽を追って首をまわした。
まだ花はついていないのだが、成長するとある段階からそうなるのか。それともちい~さい蕾がついたからか。
何も知らないなあと感じた。
その4
夕方になって、カエルが鳴きだしたねと話した。最初はさぐるように、ぽつりぽつりとなきはじめる。そのうちに大合唱になる。カエルはやっぱり、異性を求めて鳴くのかな。オスだけなのかな。
やっぱり何も知らないなあと感じた。
この瞬間にも、人間のためにベルトコンベアに乗せられているいのちがいる。(はは)