7月16日の空
夕昏どきに仕事場を出て、雑多な幹線道路を原付バイクで帰ってくる。
大きな川を渡るとき、空の広さにほっとする。
少し曇りかけているくらいのときのほうが、空は美しいと思う。
家に戻ったら田んぼの水が減っていた。
この時期、稲の生育のためだろうか、一旦用水も枯れて田んぼの水をきる。
稲の間にできた水たまりに、生育の遅れたおたまじゃくしたちが込み合っている。
あと一日、今日のような晴天が続いたら、間違いなくすべて干からびてしまうだろう。幸い明日は雨予報だ。今夜を乗り切り、そしてすばやくカエルに育つのだよ。
夕飯を食べた後で、みんなでセミの羽化を探しに行った。
私はときどき家事に戻ったが、ちちと娘たちは1時間半ほどかけて、幼虫が木を登って場所を定め、少しずつ殻を脱いで羽化していく様子を眺めて過ごした。
懐中電灯の光の中で、セミは苦労しておしりを抜いた。みんなで応援した。
夜半に雨が降り出した。
生まれたばかりのセミは残念だったけど、おたまじゃくしは救われたなと思いながら眠りについた。(はは)