風の谷の・・・
先日時間を見つけて、今住んでいる山里からさらに奥、車で20分ほどの集落へ行ってきました。
くねくねの山道を沢沿いにあがっていくと、とつぜん谷がひらけて、日当たりのよい山肌に家々が肩寄せ合っています。K野地区、行ってみてわかったこと、なんと空の広い場所だろう。見渡す山並み、一面の新緑と紺碧の空。
以前住んでいた場所に、何人かK野出身の方が方がいたので、ぜひ行ってみたいと思っていた場所でした。60歳前後の彼女たちは、幼いころ隣の集落の分校へ通ったはずです。谷をへだてて晴れた日は目の前に見える分校、とんびならひとっとびだろうけど、谷を下って登って1時間の道のりだそうです。上級生と下級生が、連なって下り登り、それを谷のあちらとこちらで大人たちが茶畑仕事をしながら見守っていた。そんな風景を想像しました。
分校は人がいなくなって久しくなりました。子どものいない集落です。
縁あって地元出身の方と知りあいましたが、もちろん私たちの知人もご存じでした。集落を語り、歴史を語り、人を語ってくれました。夜中に車を降りて玄関に入る、その10歩の間にかならずといっていいほど、星が流れるそうです。
由緒あるお寺さんも守る人がいなくなり、絶えたそうです。「開くから見てって」といわれた観音堂に、立派な仏像が安置されていました。
谷を吹きあがってくるだろう風を受けながら、子どもたちがどんな顔をしていたんだろうと考えました。もちろんよそ者の感傷だし、「たまにいくからいい所、なんだよ」と笑われます。それでも。「またおいで。日曜日はいるから」また行くと思います。