悠々闊歩

はるかな道を悠々と、闊歩していきます

あと3分違ったら

夜の10時近く。あと10分足らずで家に着こうという場所で、車が何台もハザードをつけて停車してました。事件ですか事故ですか?

崩落現場でした・・・。

数台前の車が、目の前で大きな石が落ちてきたそう。下がったところで、また崩れ落ちてきたとか。

復旧難しいですかね・・・とたずねると、見てくるといいよといわれました。

娘達と手をつないで、おそるおそる先に進むと、

暗い山道にただ一本の街路灯に照らされて、抱えきれないほどの大石がふたつ、そして大量の土砂。完全に二車線をふさいでいました。

誰も巻き込まれなくてよかった。

どんなに気をつけていても、防ぎきれない事故がある。

あと3分違ったら・・・

娘に「手を洗ってから車に乗ってね」と言わなかったら・・・

直前まで前を走っていた軽自動車がいなかったら・・・

逆光の落石は、人を寄せつけない、死の匂いでした。

不可抗力の災害、事件に巻き込まれる可能性について、ふだんはなるべく意識の外に締め出しています。無意識に脳が拒否しちゃうんだと思う。その場に立ったら?冷静でいられるか?自分や身内がむごい目を見たとき、そこから真摯に学びとろうなんて思えるのか・・・事件事故のたびに自問するけど、こたえはありません。

戻って約一時間、この地に越して2度目の回り道をしました。でも道のりの面倒よりも、さっきの石が頭に浮かんで消えませんでした。