神の子えがおちゃん
天上の神様の国に、女の赤ちゃんが生まれた。
女神さまと王様はたいそう喜んで、えがおちゃんと名づけた。
えがおちゃんはすくすくと育ち、1歳になると、神様の修業をはじめた。
まずはモノを触らずに動かす、魔法のような訓練。
えがおちゃんは大好きなぞうのぬいぐるみを、えいっと動かすことができてご満悦。
翌日は人間の言葉と文字を学ぶ。
しかしこれも えがおちゃんはお手のもの。なぜならえがおちゃんにはお姉ちゃんがいて、教えてくれていたからだ。
その夜、王様の枕もとと、女神様のお化粧の台と、お姉ちゃんの机に、手紙が置かれる。
「よる9じに、庭のおかに来てね」
なにも知らない3人が、震えながら丘の上の人影に近づくと、そこにはえがおちゃんの笑顔が。。。
その後、かぶとむしなど、小さい生き物から初めて、しだいに人間のような「大物」を救う方法を学んでいく…などの修業を経て、えがおちゃんは大きくなっていく。そして20歳のとき、女神さまと王様は「たくさんの人をしあわせにするんだよ」と言いながら亡くなる。
えがおちゃんは結婚し、男の子を産む。
0歳の間は、優しい心を育てる。
1歳を過ぎたころ、えがおちゃんのお化粧の台に、手紙が乗っている。
「よる9時に、庭のおかに来てね」
・・・
えがおちゃんはたくさんの生き物を救い、たくさんの生き物を幸せにして、子どもが20歳に育ったころ亡くなる。
その息子のこどももまた、同じような手紙を父の枕元に置く。
「同じような事をするんだね」と、父はクスリと笑う。
下の娘と二人で車に乗ると、「今日は何のお話にしようか~」と、創作の時間がはじまる。
わたしじゃないです、娘です。お話づくりが上手なのはちち譲りだな。
面白いから書き留めておこうと思うが、いつも忘れてしまう。こないだは本が一冊ずつ増えていく図書館のお話をしてくれた。
娘劇場、たぶん、つづく。