おもかげ復元師
(アマゾンより)
遺族の深い悲しみを、生きていく力に変える。
震災後、ボランティアで300人以上を復元した女性納棺師が綴る、生と死のドラマ。
残された人が、大切な人の死を受け容れ、また生きていけるように。
故人がどんな状態にあったとしても、生前と同じ表情、できるだけ微笑みをたたえたお顔に戻すことにこだわり、
全国でも稀有な復元納棺師として活動しているのが著者の笹原留似子さんです。
東日本大震災時には、発生後まもなく沿岸地域に入り、津波や火災で大きな損傷を受けたご遺体を生前の姿に戻す「復元ボランティア」に献身しました。
これまでの忘れられない納棺現場でのエピソードと、復元ボランティアの体験を綴った初の著書。
映画「おくりびと」で納棺師、という仕事は話題に上ったけれど、
これもまた、職人仕事だと思う。
ひとつひとつの現場が、当事者にとっては唯一無二の人生の一大事だ。毎日毎日、そこに寄り添って、(物言わぬ)当事者に寄り添うのは、どんなにしんどく、また尊いことであるかと思う。
ずっと気になっていたので、中学校の図書館に入ってすぐに、娘にも薦めた。エピソードの一つを話すと、翌日の参観日にはもう、図書カードに書き込まれていた。
娘は、どんな感想を持つんだろうと思っている。
ちなみに、国際納棺師を取材した「エンジェル・フライト」というノンフィクションもある。ご縁のある方が著者とつながりがあって、読ませていただいた。旅行先で不慮の死をとげた場合にも、日本人のメンタルに合った形で弔えるよう、最大限の心配りをする…そういう形で、社会貢献している集団もある。こちらも併せて、お勧めします。