ど根性アーコ
二つ前の記事に、鶏をまた飼いはじめたと書いたばかりなのに…なんと、野良猫にアーコを襲われてしまいました。
昼間おそわれる、ということはこれまでずっとなかったので、油断していました。
それに、ニャーがいたころには共存できていたから。子猫からだったからよかったのかもな。
ある日、家に帰ると、網の僅かな隙間から、引きずって出した跡を見つけました。神経質なチャコと チャボのクロは、逃げ切ったのでしょう。そわそわと落ち着かない様子でした。
アーコは、のんびりと馴れっこく餌をついばみ、来た翌日から玉子を生んでくれるほどの、肝のすわった?やつでした。
半ばあきらめながら、茶畑の中を一列ずつ見ていくと、ドキッとするほど鋭い視線の野良猫と目があいました。ぴったりと視線を合わせて離さず、近づくとサッと逃げました。
わずかに息のあったアーコを、そこから5日間、家の中で看病しました。
まさか!ということが、翌日ありました。なんと、よろよろと立ちあがり、玉子を産んだのです!
いつもよりも小さく、色もまだらになっていました。ストレスがあるとそういうことがあります。でも、あまりのことに娘と絶句しました。
だんだんと利かなくなる左半身。くいしんぼうアーコは、そんな状態でも、小米を溶いた水を飲んでくれました。手を当てていると、びりびりと波打つようなものが伝わってきました。一生懸命、治そうとしているのかもしれない。
最期の日は、娘が部活で大事な試合でした。アーコの力をもらっていこうと、貴重な玉子を朝ごはんに食べさせました。
一勝もできなくてもいい、自分の命の力を分けてもいいから、生き延びてと、娘はひそかに祈ったそうですが、結果は「お前ががんばれヨ」だったのかもしれないな。
その日はずっと、私の右手もじんじんしていました。
最初に飼ったデカやチビにくらべれば、ずっと短い期間だったけれど、アーコはやっぱり、鶏ながらあっぱれなイノチの力を、私たち家族に教えてくれました。 合掌