ばあちゃん語録 パラソル編
仲良しのばあちゃんが、旅行に着ていく服を悩んでいるという。
ジャケットじゃないのよ、「うわっぱり」ですよ。2枚出してきて、どちらがいいかと言う。
そんなもの、着るものに興味がない二人が顔を突き合わせていても、答えは出ないのだ。
「どっちがいいかなあ」と、あいまいにこたえていると
「こっちは頭巾がついているだよ」という。
頭巾!
私が悶絶していると、「笑うなや」と言いながらばあちゃんも笑っていた。
じゃあなんというのだ?というので、「フードかな」とこたえたら、「ふうどぉ。」と難しい顔をしていた。
だいたいばあちゃんは、使う言葉に味がある。料理用のトレイはあくまで「ぼん」だし、マイクロファイバーの眼鏡拭きなど、ばあちゃんにかかれば「こすいハンカチ」である。
こうもりというのも使わないな・・・というと、
「じゃあ何ていうんだ?パラソルか?」
パラソル!
ばあちゃんの口からパラソル・・・
私がさらに腹をよじらせていると、ばあちゃんは歌をうたいはじめた。
♪もしも月給があがったら、
私はパラソル買いたいわ
僕は帽子と洋服だ~
上がるといいわね上がるとも
いつ頃上がるのいつ頃よ
そいつがわかれば苦労はない~
調べてみたら、昭和12年の歌だそうです。
ああ、ばあちゃんに癒される。早く帰ってきてくれい。