悠々闊歩

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パラリンピック観戦で考えたこと~マルクス・レームと、我が家の娘と~

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リオ・パラリンピックが終わった。2020年を見据えてか、ことしはずいぶんとNHKが力を入れていて、特集番組や中継が多かったように思う。スポーツ観戦が一家そろって好きな我が家は、もちろんオリンピックも楽しんだけれど、こんなにパラリンピックで充実できたのは初めてだった。

私がいちばん注目していたのは、走り幅跳びマルクス・レーム選手(ドイツ)。やはり、NHKの『ミラクル・ボディー』で取り上げられたのがきっかけだった。

健常者に引けを取らない・・・むしろ、金メダルが狙えるレベルまで実力を伸ばしてきたレームは、陸連にオリンピック出場を申請する。しかし、「義足の反発力が有利に働いていないことを、自ら証明せよ」という条件を付けられる。そこで、日本はじめ、世界各国の専門家チームが、レームの肉体やフォーム、力学的な特徴を、他選手と比較しながら検証する。

じつに興味深い内容だった。

結論としては、みなさんご存じのとおり、オリンピック出場は認められない。専門家の検証結果が「有利だった」からではない。

・助走に関しては、明らかに不利

・踏切に関しては、そもそもの方法に差異があり、有利とも不利ともいえない

というのが、結論だったからだ。

検証の過程で明らかになったのは、義足を使った選手生活の中で、レームの脳が、特殊な神経回路を創り上げたことだ。一般的には、使われることがない回路が結ばれて、スポーツ用義足の「足関節がない」という特性をカバーしている。つまり、義足を「身体化」しているのだという。私はこの点に、最も感動した。

「オリンピックの金メダル記録以上」をめざした、レームの走り幅跳び決勝は、残念ながら地上波ではライブ中継されなかった。わずかに届かなかったが、パラリンピック・レコードは更新した。東京で、また彼の雄姿を見たい。

ところで我が家の娘。

母につられて「パラリンピック・タイム」を観て、ミラクル・ボディーの録画に感動し、総集編で涙しました。

そしたらやっぱり、障碍者障碍者スポーツの見方がかわったと、殊勝な日記を書くわけですよ。

2020年の東京オリンピックパラリンピックは、ぜひスタジアムで見たいとかね。

つくづくと、親が子供とどんな経験をするか、どんな世界に触れさせるかというのは、

非常に大切なんだなと、あらためて感じました。

何もかもに、広く経験させることは不可能で、

結局は 親がよいと思った価値観をおしつけるしかないんだとは、日々思うのですが、それでも。

まあ、レームのミラクル・ハンサム・ボディーの影響は大きいかもねヽ(´o`; オイオイ

上の娘と、「レームさんみたいな、あんな美形のガイジンさんに壁ドンされたら、あんたらっち一発でだまされちゃうねえ」「うんうん、やられるやられる」と話しました。不純な上に、話題が古いね・・・