おばあちゃんのお茶うけ 2
料理本のジャンルながら、信州のおばあちゃんたちに丁寧に聞き書きした文章が印象的。
とくに心にしみたものを抜き書き
小口たけ子さん談
「漬け物はちょっと材料かけても おいしいおいしいって言って年中食べるのがいいじゃんね。楽しいねー。
姑に言われたの「たけちゃ、着る物はちょっと悪くてもかまわないから、口はうんとかわいがれよって」
口に入れるものは自分の体になるんだから、大事にしろと。
口八丁、手八丁の頭のいいおばあちゃんだった。だけど嫁に来てすぐに、チュウキ(脳梗塞)で倒れ、それから八年間寝たきりだったの。
「あんた、看病のために嫁に来たようなもんじゃん」ってみんなに言われたよ。
利口なおばあちゃんだったから、何するにもありがとな、ありがとな、悪いなが口ぐせだった。
だから、かわいがってもらったよ。
人生っていろいろある。苦は楽の種、苦労した人はものごとに耐えられるだよ」
※おばあちゃんのお茶うけ 2 (吉田文子 川辺書林)