悠々闊歩

はるかな道を悠々と、闊歩していきます

長いお別れ 中島京子

無題.png 認知症の父と、支える献身的な母。三姉妹はそれぞれの生活背景、事情を抱えながら、老夫婦の生活を見守る。孫の世代も、歩んできた道はずいぶん違うが、しっかりと人生のバトンを受け取っていく。 老いや発症後のQOLといった、重いテーマを扱っているが、筆致は明るい。「さもない」日常がコミカルに、しかしリアリティをもって描かれていると思う。 このところ身近に、病を得たり亡くなったりの方が続いて、自分の気持ちのけりをつけるように、こういう本を多く読んでいる。こんなふうに生きざま、死にざまを教えながら、誰かにとって必要とされながら、生き切りたいものだなあ。