悠々闊歩

はるかな道を悠々と、闊歩していきます

中村桂子さんのインタビューから連想したこと、演劇

現代の人間が「変化」に対して脆弱なことを、コロナ禍は浮き彫りにした。

そもそも自然はコントロール不能だが、人間はコントロールできるという慢心がある。

では生きものとは何か?・・・「予測不能であること」「ブリコラージュ(あり合わせの組み合わせであること)(生物学者フランソワ・ジャコブ)

“思いがけないこと”“想定外のこと”が起きるのは、当たり前と思って生きる。本来人間は自然の一部であり、そうした変化を受け止め、柔軟に対応する力をもっているはず。

面倒な部分、手のかかる部分を含んでいるところに、生き物としての良さがある。

何でも手がかからないようにするのではなく、「大変だけど楽しいな」と感じられる、そのこと自体が生きているということなのだと思います。

****************以上、JT生命誌研究館名誉館長 中村桂子さんのインタビュー一部要旨

生き物の特徴のひとつが「予測不能であること」というのは、興味深い視点だと感じた。

私は観劇が好きだけど、昨年はコロナ禍で何度か上演中止が続いた。

その中の一つが、無観客で撮影→上演会を開いた。スクリーンにほぼ等身大の俳優が映し出され、演出者は「まるで目の前で演じているかのように」と評したけれど、いやもちろん今できる精いっぱいではあるのだけれど、この違いは何だろうなと思っていた。

目の前での演劇は、予測不能な私たち人間同士が、一期一会の場を共有する魅力があるんではないかな。

今はまさに、ブリコラージュでできる限りのことをして、今の状況に柔軟に生きようと思う。誰も責めず、負の感情を持たず。