悠々闊歩

はるかな道を悠々と、闊歩していきます

祝福(玄侑宗久・坂本真典)

先に読んだ鈴木秀子氏の著書の中で、祈りについての記述で触れられていた本。坂本氏の美しい、春夏秋冬の蓮の写真と、玄侑氏の小説とのコラボです。
 
祈りはどこまで波及するのか。人はただ結果をゆだねて、祈り、生を全うするよう努めるのみ。蓮は毎年芽吹いては花を咲かせ、人々の記憶や感情と交わりつつ、種を沈めて次代につなげる。植物も、数値で測れないいのちの営みも同じだ。
 
玄侑氏の小説、初めてでしたがすばらしかった。愛と祈りが心に沁み沁みです。物言わぬ我が家の猫にも、早朝の空にも神社の銀杏にも、感謝して祈りたくなりました。