『呼吸入門』
節分に向けて、娘が幼稚園で新しい歌を覚えてきました。
「いいー、聞いててよ~。
鬼は外ー、福は内ー、
パラ パラ パラ パラ 豆の音ー、
鬼はこっそり 出て行った。
鬼は外ー、福は内ー、
パラ パラ パラ パラ 豆の音ー、
早くお入り 福の神。」
わたし、歌の後半部分はうろおぼえでした。へえー、鬼が出て行って、それから福の神が入ってくるのか、と 感心しました。鬼が出て行かないと、福の神が入ってこないということかな。
鬼が出て行ってこそ、福の神が入るということかな。
以前斉藤孝さんの本を読んでいて、なるほどなあと思ったことがあります。
ちょっと長いけれど引用します。
『実は、呼吸を考える上で大切なのは、吸うことではなく吐くことです。いかに吐くか、これを私たちの文化はずっと考え続けてきました。・・・
この、捨てることによる安定というのが禅のスタイルです。蓄積することによって固めていく安定ではなくて、あらゆるものを捨てるということを基本にしています。
この捨てていく美意識ーー捨てることによって人というのはすっきりし、エネルギーが満ちてくるというのが日本文化のあらゆるところにあったし、強みでもありました。
ですから、基本的に日本の家屋というのは簡素さを旨としましたし、余分なものはすぐ庭で焼き、穢れも厄も形代に託して川に流して捨てていた。
身辺を簡素にしていくことで、常にエネルギーが入る器を用意するという発想だったわけです。
捨てればスペースができ、そこが自然と満ちてくる。その「他力」を信じる。』(『呼吸入門』)
この文章を読んで以来、呼吸と同じように、身辺を簡素に きちんと片付けておけば、自然と満ちてくるのだという考え方をするようになりました。
とはいえ、貧乏性かつ整理が苦手な私のことなので、理想どおりにはいかないのですが。
子どもの歌で、またひとつ教えられたように思いました。(はは)