悠々闊歩

はるかな道を悠々と、闊歩していきます

彼岸花の気配

庭で遊んでいた下の娘が、「そこにひがんばなが咲いてるんだもん。びっくりしたあ」と訴えた。みると、なるほど、植え込みの中に紛れるようにして、赤い花が首を伸ばしていた。

「何々?」と話に入ってきた上の娘に「うん、そこの彼岸花がね・・・」と事情を説明しているうちに、下の娘は「こわい!」と泣き出した。

「ひがんばな嫌い。真っ赤なんだもん!」しまいには「アクマみたい」などと言い出す始末。おいおい、こないだまで彼岸花の首をおってブラブラさせて、「ちょうちん~」とか言ってたじゃないか。

彼岸花は、私も何度か記事に書いているが、人の気配を感じさせる花である。私も庭の草刈などしていて、ふと間近に花を直視すると、ざっと恐怖に包まれる感覚がある。なぜだろう。あまりにカンペキだからか?

おなじような感覚を、娘も持つのかと思うと、不思議なようなかわいそうなような。

なにはともあれ

家の周りは彼岸花が盛りである。枯野にすいすいと首を伸ばし、群れを作っている。枯野の茶色、彼岸花の赤、ハンゴンソウの黄色、そしてぽつぽつとツユクサの青。秋の河原の色だなあ、と思う。

今朝はそれに、朝焼けの桃色が加わっていた。日の出前に中空まで、桃色が広がっていく。それがしゅうっとしぼんだかと思うと、朝一番の光が差す。

空がたかくなってきた。(はは)