ビロードの足袋
山のおばあちゃんのところに、出張整体に行きました。
おばあちゃんが3人、お茶を入れて待っていてくれます。幸せなことです(^-^)
仕事柄、踏ん張りが効くので、足袋を愛用しています。
「めずらしいもの掃いてるねえ」と、さっそく目にとめていただきました。
「何文かねえ」と聞かれて、う~んわかりませんとしか言えなかったのですが、
すうっと座敷のおくに消えると、「これ、ちいっと大きくて履いてないだけど」
いつのものかわかりませんが、なんとも風情のある足袋。
足袋談義に花が咲きました。
「よくこーんなもの、とっておいたねえ」「しかも、すぐに出て来て」
「これはビロードだねえ」
「コール天はね、縞があるのを言うだよ」「ほうかあ」
「昔はよく、妹たちに縫ってやったもんだ」
「あたしはイチからは作らない。直すばっかりで」
「こはぜのところを一等先に縫うんだよね、なつかしいねえ」
「こう型をとってね、指の所は縫いちぢめて」「そうそう」
「厚いのを鬼底(オニゾコ)っていったねえ、上等でねえ」
「わざと縫い目を外側に出す方が、履き心地が良いなんていってねえ」
こんど、脇がほつれてしまった足袋を持って行って、
修繕の仕方を教えていただこうかと思っています。
破れりゃ終わりと思っていた私は、まだまだ小僧だなあ。