やまゆりの花
毎年この時期になると、道草刈りがあるので、
せっかく咲くばかりにふくらんできたやまゆりが、切り落とされてしまう。
それがここ数年、ずっと気になっていたのだが、
草刈りをしている会社に話してあげるよ、と言われたり
そんなの気にして・・・と言われたりで
毎年残念に思い続けるばかりだった。
今年は、気が付いたやまゆりの芽に
赤いテープを、地道につけていった。
最良の策じゃないかもしれないけど、それを見て気にしてくれると良いなと思っていた。
分かりやすいように、周りを刈りこんだりもした。
それでも切られた。
地域の方が、やまゆりを残して、自主的に刈ってくれてあったところも、はげぼうずになるまで刈ってあった。
そうして道草刈りが一段落して、
ああよかった、湯ノ島周辺は残った。
そのうちに、つぼみは大きく膨らんできて、これを切る人はなかろう、と思っていた。
そしたらある週明け、そこも刈られた。
ばあちゃんに、切られたな。残念だったな。というと、
「あれは刈られたじゃないぞ。誰か欲しい人が、持っていったっだ」
「そう?」
「欲しい人が持って行っただから、いいだ。そうおもわにゃ、始まらない」
そう考えて、気持ちにけりをつけるばあちゃんを、私はホントに偉いと思った。
ばあちゃんの庭には、年々大きくなったやまゆりが、何輪もの花を咲かせています。