めんごもちと、思い出話 覚書
前出のめんごを、もう一度塩を入れて煮なおす。柔らかくしたいから。
それを荒く搗いて、ぼたもちほどの大きさにする。
きなこをまぶして、できあがり。里芋だとねっとりするように思うが、八つ頭だから、ほくほくとよい食感である。
きれいにつぶしてしまうよりも、荒いくらいがうまい。作ってすぐより、翌日ぐらいがうまい。
昔、いとこが復員してきたときに、妹とつくって持ってった。
5月だったが、きくいもという、持ちの良い芋があってな。それによむぎ(よもぎ)を入れてつくった。
よろこんでくれてなあ。
あのころは10代だったが。
スマトラ帰りだったっちょうで、熱病にかかったとかで、来い来い(きいきい。来てすぐに)死んだわ。
数えてみれば、ばあちゃんは15歳になってないぐらいだったと思う。
いとこのためにせいいっぱい、お疲れ様の気持ちを、めんごもちに込めたんだろう。