悠々闊歩

はるかな道を悠々と、闊歩していきます

エール株式会社篠田真貴子さんと語る「聴く力」

コテンラジオの番外編がとてもよかったので紹介します。

エール株式会社は、社外の第三者と1on1で話せるサービスを提供しています。利害関係がない第三者と話すことで、結果的にチーム組織内でコミュニケーションが深まり、パフォーマンスが上がる効果があるそうです。

きちんと聞いてもらえることで価値観が深まったり、言語化メタ認知ができたりする。傾聴の効果は学んできたけど、それで組織全体が最大機能するってのが新鮮でした。

また、対人関係や自分の属する集団の中で、どうやって心理的安全性を確保するか。そもそも、心理的安全性がある状態と信頼感ってどう違うの?それに、上辺だけお互いに聴きあえたとしても、最終的にはお互いのアイディアの中で判断していく場面になるよね。そのときにどう納得した結果を出していくの?

コテンラジオのイツメンたちも言語化の達人だし、篠田氏の話の持っていきかたもすばらしいし、実に学びが深かったです。組織で働く人も、家族とのやりとりで感情的になっちゃう人も(あ、それ私か)、ぜひ聞いてみてください。

前編中編がこの話。後編は篠田さんの、女性が働くということに関する実感のこもったお話、こちらもまた学びが深かったです。

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ルポ 誰が国語力を殺すのか(石井光太)

序章ののっけから、小学校国語の授業での衝撃的な一場面が描かれていて、ここまで日本語の共通認識ってなくなっているのか!とショックだった。
例として挙げられているのは「ごんぎつね」「一つの花」の解釈だ。
言葉の欠如によって、考える・想像する・表現する力が弱くなっている事例が、読んでいてもどかしい。もしも言語化能力がこれほど下がっているのが現実だとしたら、世代間の断絶どころじゃない。
書籍の後半では、更生施設や小学校での取り組みを取材したものが詳述されている。じゃあ自分はどんな行動をじっさいに、一歩起こせるだろうと考えながら読み進めた。
 
結論としては、現実は現実として、まず隣にいる人の傾聴から始めよう、としか言えない。ちょうど、ポッドキャスト『コテンラジオ』でも聴く力をテーマにした回を聴いたところだった。
きちんと人に話を聞いてもらえることや対話することで、メタ認知が進む。利害関係がある中で、いろんな判断を挟まずに、先入観なしに受け取るスキルを高めるにはどうしたらいいんだろう。今後の読書の課題にします。

風神雷神 Juppiter,Aeolus(原田マハ)

原田マハ氏の描くアート×歴史×フィクションの世界には、知らない世界を活き活きとした筆致で垣間見せてくれるおもしろさがある。
もしも狩野派の熟練絵師と、当時まだこわっぱだったはずの俵屋宗達が出会っていたとしたら…?
そしてその二人が、絵師として渡り合いながら一枚の「洛中洛外図屏風」を、3か月かけて仕上げるとしたら…?
その依頼者が天下人・織田信長だとしたら、そのお目通りやいかに・・・?
3年かけてローマを目指したという天正使節団の船旅の描写でも、まるで甲板の日差しや船底の蒸し暑さまで伝わってくるような文章だった。今回も耽溺しました。
 
今年の五月、建仁寺で「風神雷神図屏風」を観た。本物は京都博物館に収められているから、もちろんレプリカだけど。俵屋宗達の絵には署名がないものが多くて、だからこそこの傑作も、明治期に海外に流出することなく国内に残ったとか。歴史はときに皮一枚でドラマティックに転換して、良いとか悪いとか善悪とか判断できないものなんだろうな、と思う。
 

親不孝介護 距離を取るからうまくいく(川内潤ほか)

津波がきてから防波堤を築く人はいない」という例えを聴いてから、病気や介護といった、差し迫らずあまり気の進まない問題についても知見を増やしていこうと、自らを鼓舞しています。
 
本書は遠距離介護がだんだん本格的になってきた当人の体験談と、介護のプロとの2者による解説が交互に語られる構成です。
親不孝介護とは→→介護者が抱え込まないで、最初から公的支援を入れると肚をくくる。それによって三方ヨシの、個々のニーズに沿った生き死にを実現していける形と、私は受け取りました。
自分のケースに当てはめつつ読み進めるうちに、
・現段階でしておくべき具体策(私の場合、地域包括への連絡や介護保険証の確認など)
・親とこんな話をしておきたい。自分の振り返りも必要
・友人や部下などが介護について迷った時、個人や会社としてどう声をかけるべきか
こういったことが腑に落ちました。
漠然と不安がりつつもバイアスだらけだったことに、気づかされました。時折電話する母。支えにも反面教師にもしてきた母。彼女のこれからの日々を、100歳まで生きても明日もしもがあっても幸せなように、共に生きていこうと思えました。
 

ぼんごのおにぎり おいしさのヒミツ

東京・大塚で話題のおにぎり専門店。外国人観光客にも、このところおにぎり人気が高いと聞く。
ふわりと握るための気遣いがこまかく、こまかく記されている。以前料理家の佐藤初女さんのご本を読んだ時にも感じたが、やはりおにぎりは日本の心だ。そして基本は子どもの頃に食べた味。
あなたのおにぎりはどんなですか。
私の記憶の中のおにぎりは3つ
ひとつは、自分が子どもに繰り返し作ったもの。山里に住んでいるころは朝の出発が早く、高校生をたたき起こして、ともかく弁当を詰めて、朝ご飯はおにぎりだった。いつも車の中に、温かいおにぎりのにおいがしてた。
2ばんめは、シングルで二人の子供を育てていた男友達が、運動会に持ってきた爆弾おにぎり。のりで真っ黒に包まれていた。
3ばんめは、大好きだった山暮らしのばあちゃんが、頼んでないのに朝にぎってきてくれた、これも爆弾おにぎり。アルミホイルにくるむのは譲らなかった。
 
私のつくるおにぎりは、海苔にだけはこだわる。海苔には高低があるから。
娘はいまだに、あったかいおにぎりが好きだ。こんど帰省してきたらどんなおにぎり作ってあげようかな。
 

今日、誰のために生きる?----アフリカの小さな村が教えてくれた幸せがずっと続く30の物語(ひすいこたろう他)

ひすいさんの配信を聴いて興味を持った本。
表題は、アフリカのとある村で朝晩交わされるあいさつだという。
今日、だれのために生きる?今日は、自分のために生きられた?
そんな風に自分に問いかけたこと、今までなかったです。
今日は自分のために何をできたか?
自分を喜ばせるために、何をしたか?
 
究極的に、自分を満たすことを第一に考えられているか。なかなか一口には答えられない質問です。しかしちょうど先日気づいたところなのですが、確かにいろいろと感情を揺さぶられるような外因があるけれど、実はその裏には「自分が満たされていない」不満や焦りがある。根本となるその部分の解決・改善を目指すことで、前を向ける。
日々の振り返りとして、上記の質問をメモしておこうと思います。
そして自分を満たしてあげようと決めました。
 
来年の目標として、ためらって一旦ペンディングにしていたものを復活しようと思います(*´ω`*)
そして自分も、人も、もっと信じよう。
 

サントリー1万人の第九 ライブ配信を観た話

友人が数ヶ月間の練習期間を経て、大阪城ホールでの本番に臨みました。

コロナ渦を経、3年ぶりに開催されたとか。今日の夕方ライブで配信があったので、初めて観ることができました。

第1楽章から力のこもった演奏で、素晴らしかったのですが

いよいよ第4楽章が始まって、1万人が全員起立する頃には全身鳥肌が立ち、何度も涙がこぼれそうになりました。

友人のご縁で知ることができたこの機会に感謝。

 

12月16日にはテレビ放映もあるそうです。ぜひご覧ください! 

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