悠々闊歩

はるかな道を悠々と、闊歩していきます

ルポ 誰が国語力を殺すのか(石井光太)

序章ののっけから、小学校国語の授業での衝撃的な一場面が描かれていて、ここまで日本語の共通認識ってなくなっているのか!とショックだった。
例として挙げられているのは「ごんぎつね」「一つの花」の解釈だ。
言葉の欠如によって、考える・想像する・表現する力が弱くなっている事例が、読んでいてもどかしい。もしも言語化能力がこれほど下がっているのが現実だとしたら、世代間の断絶どころじゃない。
書籍の後半では、更生施設や小学校での取り組みを取材したものが詳述されている。じゃあ自分はどんな行動をじっさいに、一歩起こせるだろうと考えながら読み進めた。
 
結論としては、現実は現実として、まず隣にいる人の傾聴から始めよう、としか言えない。ちょうど、ポッドキャスト『コテンラジオ』でも聴く力をテーマにした回を聴いたところだった。
きちんと人に話を聞いてもらえることや対話することで、メタ認知が進む。利害関係がある中で、いろんな判断を挟まずに、先入観なしに受け取るスキルを高めるにはどうしたらいいんだろう。今後の読書の課題にします。