悠々闊歩

はるかな道を悠々と、闊歩していきます

しまだ大井川マラソン2023

昨日、2度目のフルマラソン挑戦を終えました。
昨年同様に、所属する塾でイベントを立てて、実力×環境×仲間の力をお借りしました。
ともにフル、10キロを目指せた仲間や、応援してくれた仲間に感謝します。今朝はひどい筋肉痛で、まだ脳細胞も働いてませんが(笑)フレッシュなうちに報告してみます。

昨年はともかく、レースすら10年以上ぶりだったもので緊張マックスでしたが、今年は比較的落ち着いて当日に臨めました。
当日までの反省点は二つあります。
・体重コントロール じつは昨年比、5~6キロも増えていました。もちろん努力はしましたが、昨年と同じ努力で同じ水準まで下げる、というわけにいかず、長いことあせっていました。マシントレーニングをしたからとか、更年期の影響がとか、言い訳はクリエイティブです。でも大会1ヶ月前には「下がらないなりの理由があるのだろう」と開き直って、ともかく楽しむことに切り替えました。
・ランニングシューズ 3足試行錯誤しましたが、今一歩ぴったりしませんでした。結局一番良いと感じたものに中敷きを入れて当日を迎えました。

案の定まだハーフも行かない距離でつま先が痺れ、痛みが出始めました。25キロぐらいで、思い切って靴と靴下を脱いで、裸足で3キロほど走りました。指先の痛みはなくなりましたが、足に響いてやはり衝撃が強すぎるかもと、もう一度履き直しました。

32キロ地点の大エイドステーション前後で、出場メンバーと言葉を交わせて、じつに元気をもらいました。
そしてメンバーとの交流はもちろんですが、レースのだいご味は人との交流にあります。
エイドステーションでは、年配の方もお子さん連れも、ただ人を応援する、そのことに夢中になって手を叩き、声をかけてくださいます。
沿道で車椅子に座り、無表情のまま一生懸命に手を振ってくださる方もいます。
私設エイドステーションで、「チョコだよ!もってって!ガンバってね!」と差し出してくださる方もいます。昨年も同じ家族がいたっけな。

ともに走るランナーたちには、それぞれの背景を抱えながら今日まで生きてきて、そして今日ともにいるのだな、と勇気をもらえます。特に後半は、なりふり構わずただ走り抜くこと、ただ今日を精一杯生き抜くこと、次の一歩を出すことに集中できる連帯感を覚えます。

何度か通り雨が過ぎました。濡れた足先もいよいよ痛んで、両足も時折、膝が抜けそうな神経の痛みが走りました。雨が上がると日が出ましたが、時折雲に隠れて、雲の上端が明るく光っていました。
あーまだ私は雲を見ている、顔をあげられているから大丈夫だ、と思えました。

全てを終えた夕食のときに、「ゾーンに入ったようなときはあったか」と訊かれたのですが、今回も確かにありました。
気力、体力のぎりぎりまで迫った時、心が澄んできます。
今回は、雲を見上げつつ歩を進めていたとき、去年の大会からの一年間で亡くした2人の同級生を、不意に思い出しました。子供を残していくことがどんなに無念だったろう、私が何気なく目覚める朝を、彼女らはどんなに迎えたかったろう。今日の私のチャレンジを、どんな風に応援してくれるだろう。
何で今出てくるんだよ、感謝だなあ、と泣けてきながら、また1,2,いちに。と進みました。

黄色い半円形のゴールが見えてきたころ、東の空に大きな、二重の虹がかかりました。まじかよ、ゴールと三重になってるよ、どんなごほうびだよ。もう時間の感覚がなくなりかけていましたが、制限時間ほぼぎりぎりでした。
トラックラインに入る前のところは、エイドステーションでの仕事を終えたボランティアさんが笑顔で迎えてくれました。メンバー中最後になった私を、塾生の仲間たちは笑顔で迎えて、一緒に走ってくれました。みんな待たせてごめんよ。

私の父は「その時、そこでしかできない経験をせよぉよ」という教えを残してくれました。計画的じゃなくてもいいから、今しかできない、二度とない経験にチャレンジして生きていく。
昨年はとにもかくにも「フルを走り切った先の風景を見てみたい」が、目標でした。今年は、最善でない中でも、どういった心構えで臨むかを学べたし、結果的に得られたものは、昨年以上の感謝でした。昨年ももちろん感謝はあったけれど、まなじりを決した緊張が取れた分、視野が広がりました。
今は体いっぱいの筋肉痛と、しみじみした温かみに包まれています。会場で同じ時間を過ごせた塾生のみなさん、来られなかったけど応援してくれたみなさんにも感謝。レース中何度も力をもらえました。