悠々闊歩

はるかな道を悠々と、闊歩していきます

月が追いかける

子どもと日々接していると、ときおり 想定外の言動におどろかされる。びっくりするやら、絶句するやら。その場でわが子を抱きしめたくなったり、後から一人でにやついたり。

中でも、「そうそう、私も子どもの頃 そう思ったことあったなあ」なんてことがあると、何だかもう一回こどもになったような―――子育てのごほうびをもらったような気分で、嬉しくなる(もっとも、うわーそんなところ似ちゃったか、と 暗澹とすることもある)。

月が追いかけてくる というのも、そのひとつだ。家族で外出した日、帰りの車中ですることもなく眺める月。どこまでいってもどこまでいっても、ずっとついてくるような錯覚に陥る。

木々や建物に見え隠れしつつ、ずっと同じスピードで追いかけてくる月。

そんな感覚も、いつか忘れてしまっていた。そして娘が同じことを口にして、30年ぶりに思い出した。

そして先日、ごはんの最中に 娘がまた変なことを言い出した。

「おかあさん、すぐに大人になっちゃっていやだったねえ」

一瞬何のことか分からなかったが、すぐにわかった。そうそう、娘よ、私も思っていたよ。

「お母さんは、おとなから始まっちゃって、人生短くてかわいそう~」ってね。

 いちおう応えておきました。

「おかあさんもねえ、楽しいこといっぱいあったからよかったよう」ってね。(はは)