体操教室にて考えたこと
上の娘が体操教室に通い始めて一年。この四月から、下の娘も入会することになった。お姉ちゃんと一緒の、ちょっと背伸びしたクラスに入ることになる。
ずっと見学席でがまんしてきたから、大喜びでユニフォームに袖をとおした。傍から見てもその喜びようはほほえましく、よかったなあ~と胸をなでおろした(ダブルの月謝は痛いけどね)。
ところが・・・
見るとやるでは大違い、だったらしい。もともと負けず嫌いの娘は、他のみんなと同じようにボールをドリブルしたり、逆立ちしたり、ブリッジしたり、したい。でもできない。それが悔しくてしょうがない。
初日から大泣きして戻ってきてしまった。いくら「できることからでいいんだよ」「先生がお手伝いしてくれるから」となだめても、きかない。聞く耳をもたない。
こうなるとどういっても駄目なので、本人の心変わりを待つしかない。オヤとしては、「急かしてはいけない」という思いと、「でも月謝は前払いしちゃったし」という打算とで 心が乱れた。
でもある日、「五月からは、また考えよう。一日だけはしっかりやろう」という誘いに乗ってくれた。お姉ちゃんにくっついて、準備体操もとび箱もこなせた。途中で見学席に戻ってきたので、どうしたかと思ったら、ひとこと「今日は泣かないかもしんない」とだけ言って、走って戻っていった。
結局最後までできた。五月からどうする?オチビちゃんたちと一緒に見てる?とたずねると、カッパエビせんを片手にしばらく考えていたが、「やる!」という。よかったよかった。
高学年のお姉さんたちのブリッジを、下の娘はじーっと眺めていた。
その横顔には、集団の中で自分が一番へたっぴ、という立場の悔しさがにじんでいた。と思う。それと憧れと。
私もスポーツに熱中した過去があるから、その悔しさはよおーくわかる。
そしてある日、そこから脱している自分に気づくんだ。
もっと成長すれば、集団の中で図抜けた立場にもなれるんだ。あこがれられることだってできるんだ。そしてそのそれぞれの立場で、学べることは違うんだ。
娘たちが体操を通じて、そんなことをぼんやりと、感じ取っていってくれたらいいなーと、ははは願っている。(はは)