悠々闊歩

はるかな道を悠々と、闊歩していきます

センスは知識からはじまる(水野学)

著者はまず「センス」をこんなふうに定義します。
センスの良さは、数値化できない事象の良しあしを判断し、最適化する能力である。
 
そして、センスの良さはスキルであり、研鑽によって誰もが手にできる能力であることを、一冊を通じて説いています。
センスとはひらめきを待ったり、あっと驚く斬新なものが天啓のように降ってくるわけではない。誰も見たことがないものは、だれでもが見たことがあるものを知ってこそ生まれる。知識と知的好奇心の追求で、精度を上げていける。
 
センスって生まれ持ったギフトみたいなイメージでとらえていましたが、それは怠慢でした。著者はセンスの良いデザイナーのプロとして認知されていますが、それはスキル積み上げによるものであり、その証拠として「なぜ、そのデザインなのか」という思考経路をきちんとたどり、説明することができます。
その点で、センスは直感ととてもよく似ていると感じました。
私自身、人の体に触ることを生業としていますが、感覚的な部分に頼りすぎていたなと反省させられました。経験値とか感覚とか、甘えてんじゃないよ。知識・スキルを積み上げて、説明できる形で更新していく努力を重ねて精進します。