悠々闊歩

はるかな道を悠々と、闊歩していきます

国境のない生き方: 私をつくった本と旅 (ヤマザキマリ)

ヤマザキさんといえばテルマエ・ロマエの印象しかありませんでしたが、ごめんなさい。題名の通り、囲いの外に出ること・境界線を超えていくことについて、彼女の半生とともに語っています。

 

彼女は14歳の時に、海外で一人、途方にくれたことがあるそうです。「頼れるのは自分しかない」と、ギリギリ切羽詰まった状況に追い込まれた時、
『苦境に置かれなければ生まれてこない感情』自分に対する信頼感が生まれたそうです。
頼むよ、自分。もうお前しかいないんだ、と。

 

この心境は私もよーくわかります、さすがに14歳じゃなかったけど、体感・経験として。
泣いてもわめいても己一人、ここを自力で脱出するしかないんだという絶望感と、その感情を超えた肚の決まり方。
人生の辛い場面で、度々力になってくれます。

 

殻を破って、未知の世界に駒を進めることはこわいです。でももし、それが自分の情熱が根っこになっていて破らざるを得ない状況まで来た時には、なりふり構わず、なけなしの自分を頼りに出ていくしかないです。人生ってそうやって、もがき続けるのだとしたら、飄々ともがき続けたいものです。


久しぶりに、腹の底からの実体験・実感・体感に基づいた、血の通った文章を読めたなと感じています。こういう文章が、チャットGPTは書けないんだな。