ガウディの伝言(外尾悦郎)
https://www2.nhk.or.jp/learning/academia/video/?das_id=D0024300119_00000
「ガウディの遺志を継ぐ」以上の情熱が、淡々とした言語化から伝わってきます。一筋の道を歩んで、そこから人生の幅を広げた方の語る言葉には重みがあります。
そして みきさんに紹介してもらった本書を読了しました。
サグラダファミリアは、独創的で天才的なガウディの創造物…ではない。全く違う。
不遇な面も多い一生涯の最後に、どんな思い入れでガウディが建築にあたったか。
自分は完成を見届けられないのを知りつつ、どう後継者にバトンを渡そうとしたか。
外尾氏は芸術家ではなく職人。 答えのない命題にもがき、石に聞き、ガウディの残したわずかな資料や史実をたんねんにたどって、「自分というものをどんどん小さくしていく」。すると人間離れした集中力が生まれ、独創ではない、自然や神の意志に基づいた「ガウディの伝言」がきこえてくる。
ガウディが「逆さづり実験」で建造物をデザインしたことや、サグラダファミリア全体を一つの楽器としてデザインしていることを解説する箇所は、実にわくわくしました。動画と本書がお互いに補い合って、より理解が深まりました。
最後のほうで、氏は古代ローマ人の「carpe diem 今日を生きる」という言葉をひいています。「明日のために今日を生きるのではなく、今日できる最大をして、その上に明日を積み重ねていくことによって自分たちも満たされる。
サグラダファミリアはそういう風に作り上げられるものであって欲しい」