悠々闊歩

はるかな道を悠々と、闊歩していきます

季節の花々

隣家の庭で きんもくせいが満開です。

夕暮れどき、雨戸を閉めようと窓を開けたけれど、

あまりの芳香に手が止まりました。なんだか勿体なくて、結局 30分ほど閉められず。

去年の日記にも、3日と違わず「きんもくせい満開」とあります。

大好きな花なので、花期を惜しんで香りを記憶にとどめます。

きんもくせいの前は 彼岸花が盛りでした。家の前の用水沿いに、葉もなく すいすいと咲く花。

一本の茎に朱赤色の花がいくつも集まり、蓮華を組んでいます。一つ一つの花を良くみると、実に丹精で、自然の造形の神秘を感じます。

芽が出たな、と思うと次々咲きそろいます。お彼岸前になるとどうしてこうもいっせいに、時を知って咲くのだろう?毎年毎回、不思議に思います。

こちらは、個人的には少々苦手。子どもたちは平気で手折り、「お母さんの分も」なんて鼻先に突き出してくるのですが、どうも私には 折れない花です。なんだろう、人の気配を感じてしまう というか。

盛りを過ぎると急に色が抜けて、むごい姿をさらしているのも 見ていてつらい。「老醜」という言葉が浮かんでしまう。

季節の花々にも、野菜と同じように はしり・さかり・なごりがあるのだと思います。

野菜は一年中あるものが多く 店先で季節を感じ取るのも容易ではありませんが、

その点 温室栽培・促成栽培のない 野の花や庭木は、時の流れに忠実です。

ああこの花に またあえたな、という感慨が深い。

そして私自身も、花たちのように、過ぎていく時間や季節に従順でありたい、と願います。(はは)