よきものは
①インフルエンザで苦しかった初日、とんとんとドアをノックする音がして
ママ友達のMが立っていた。「ういーっす。とりあえず大変だよね。昨日作ったのだけど これと、後はごめん、帰りに99ショップで買ってきた」
大根とさつま揚げの煮物と、豆腐とシューマイ。
それと 彼女はヤクルトの配達をしているので、ヤクルトとジョア数本。
その日はジョア一本だけ口にできた。子どもの晩御飯は、助かった。
②翌日は上の娘が久しぶりに登園、でも私はげろげろだった。
降園バスを迎えに出ると、「はい、これSちゃんママから」
開けてみると イカともやしのごまあえ、だった。
「ファイトオー!」と手紙がそえてあった。
ちちが、「こういう もろお惣菜、ってのを差し出せる付き合いって、すごいなあ」といった。
③その日はちちのほうが もっとげろげろで、
げろげろが もっとげろげろをかばう、という最悪の日だった。
ちちを病院に送って家に戻ってくると、玄関先に ビニール袋に入った卵と煮豆、そしてヤクルトが置かれていた。
あわててMに電話したが、実はもう一人のヤクルトママ、Nのさしいれだった。
「ごめーん、とりあえず卵はいるだろうと思ってさ。牛乳はなかったから」
煮豆がビニール袋に直接入ってたのは、タッパーのように 返すときの気遣いがいらない、という理由から。そして卵が5こ、というところが、いかにも「買い物に行く時間がないけど、なんかしてあげたい」というNらしいやさしさを感じさせた。
④その日は、ちちの仕事仲間も ぎょうざを差し入れてくださった。「どうだい?やっぱだめか。」ありがたいことです。
よきものは 人と人とのつながり。みんなありがとう、ありがとう。(はは)